PMSの症状には「炎症」が大きく関わっています。
炎症がなぜPMSの原因なのか?
炎症はホルモンのコミュニケーションを変えさせてしまう。
①炎症はプロゲステロンの生成や、プロゲステロン受容体の反応を阻害してしまう。
②炎症はGABA受容体を減少させてしまう。Gabaが減少すると、プロゲステロンの反応を阻害させたり、PMSを悪化させてしまう。
*GABAとは?γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略して、GABA(ギャバ)と言います。アミノ酸のひとつ。GABAは主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として働いています。GABAは、交感神経活動を抑制して、ストレスの緩和、深部体温を低下させ、寝つきに対して改善効果があると報告されている成分です。
③炎症はエストロゲンの解毒作用を阻害させたり、エストロゲンに対し、とても敏感にさせてしまう。
「まとめ」
炎症は
2、エストロゲンをさらに増やす。
プロゲステロンとGABAを強化するには?
1、食事
炎症を起こす食事を減らす:砂糖、小麦、乳製品。
特に乳製品がPMSに大きく関わっている。
なぜならば「ヒスタミン」の放出の引き金となっているため。
もしPMSの症状で頭痛、不安、頭がモヤモヤするという症状がある方は、もしかすると「ヒスタミン不耐性」の可能性があります。
ヒスタミンは通常の免疫機能の一部ですが、多すぎてしまうと症状を起こす可能性があります。
ヒスタミン不耐性は生理直前に悪化します。なぜならば、エストロゲンがヒスタミンをあげ、またヒスタミンもエストロゲンのレベルを上げてしまうからです。
逆にプロゲステロンはヒスタミンを下げてくれます。これが唯一PMSの症状を緩和してくれます。
ヒスタミン不耐性を緩和させるのは?
- プロゲステロンを強化する。
- ヒスタミンを刺激するような乳製品やアルコールを避ける。
- ヒスタミンが入っている赤ワイン、チーズ、ボーンブロス、発酵食品を減らす。
- ヒスタミンを破壊してくれるDAO酵素を活性化してくれるビタミンB6を摂る。
2、アルコールを減らす。
アルコールは自然に生成され脳に作用するステロイド「アロプレグナノロン」を低下させ、プロゲステロンの作用である体を落ち着かせる効果を妨げます。またアルコールはヒスタミン不耐性を悪化させます。たまに楽しむことはあると思いますが、PMSを防ぐために度を過ぎた摂取はしない方が賢明です。
3、ストレスを減らす。
- ストレスはアドレナリン受容体を直接ブロックしてGAVAを減らしてしまいます。
- 長期間で見ても、排卵を妨げ、プロゲステロンを減少させます。
- 低いプロゲステロンはストレス反応やHPA軸を不安定にします。そのため、ストレスは生理を遅らせることがあります。
*HPA軸とは(ストレス応答や免疫、摂食、睡眠、情動、繁殖性行動、エネルギー代謝などを含む多くの体内活動に関して、視床下部、下垂体、副腎の間でフィードバックのある相互作用を行い制御している神経内分泌系)
4、運動。
運動はストレスと炎症を抑える効果があるのでPMSを軽減することができます。
ハーブやサプリメントを取り入れる
マグネシウム
科学者の中にはマグネシウム不足がPMSの主な原因と言っている人もいます。
マグネシウムはプロゲステロンを含むステロイドホルモンの生成を助ける。またプロゲステロンのシステムを正常化する。さらに、炎症を抑えたり、ストレス反応を調整したりGAVAの活動を強めます。
食事の中にもナッツやたね、緑の葉物野菜などにも入っていますが、食べ物からのマグネシウムの量では十分でないとしている専門家もいます。
ビタミンB6
ビタミンB6はGabaやプロゲステロンを合成する必須成分。炎症を抑える作用やエストロゲンを排出する助けとなる。また自然にヒスタミン不耐性を和らげる効果がある。
Vitex agnus-castus (チェストツリー、チェストベリー)
気分のムラや、むくみ、胸の張りなどを和らげる作用がある。
下垂体ホルモンのプロラクチンを阻害することにより、排卵とプロゲステロンを強化します.
またVItecには鎮静剤のような要素が入っており、神経システムを落ち着かせる効果があります。
セレニウム
プロゲステロンの生成の鍵となる成分。黄体の形成に不可欠です。
食事の中の魚介類やお肉の内臓、ブラジルナッツに含まれている。
*もしこれらのサプリメントなどを摂取したい場合には専門家に相談した上で摂取してください。
次回はエストロゲンを代謝させ安定させるには?
に続きます。