テロメアとは?
テロメアとは細胞の染色体末端にある構造で、遺伝子情報を保つDNAを保護しています。細胞分裂のたびにDNAは複製されますが、末端は複製されないのでテロメアは短くなります。テロメアがあるうちは遺伝子に傷がつかないのですが、細胞が何回か分裂してテロメアが尽きると、遺伝子に傷がつき細胞は増殖できず、老化しやがて死んでしまう。私たちの体は、細胞が分裂し、新しく生まれ変わることによって正常な機能を維持していますが、細胞が分裂できる回数には限度があり、50回〜70回くらい分裂すると、それ以上は分裂できなくなるといわれています。細胞分裂の回数には限りがあるため、「テロメアは命の回数券」とも言われています。
テロメアの長い人ほど若々しく、短い人ほど老けて見える。
長い間、テロメアの再生は無理だとされてきたのですが、若返り遺伝子・長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」には、テロメアがすり減るのを抑える働きがある事がわかってきたようです。「サーチュイン遺伝子」については一つ前の書いています。
たとえば、テロメアがどんどん短くなってしまうと、老化がどんどん進み、顔にシワやタルミ、シミなどができて老けた印象になってしまいます。しかし、サーチュイン遺伝子が働いて、テロメアが減るのを抑えれば細胞分裂も可能になり、見た目の若さをキープすることが可能になります。顔が老化していくと言うことは、もちろん体の中も同じく老化していることになります。見た目の年齢差は、そのまま内臓や血管などの年齢差でもあるからです。顔の老け具合を見れば、その人の寿命がわかると言う。
テロメアが短くなる要因
酸化ストレスや有害物質の作用
心理的ストレス
特に強調しているのが、ストレスとの関係。ストレスを除くのにマインドフルネスと呼ばれる瞑想(めいそう)が注目されているが、この瞑想をしたグループは、テロメアが伸びたという研究成果を紹介している。
糖化
細胞機能低下を起こし、結果的に細胞分裂を促進、テロメアを短縮します。
短時間睡眠
睡眠時間が短い人もテロメアが短いことが報告されています。
毎日5~6時間しか眠っていない高齢者のテロメアは短い傾向があるが、7時間以上睡眠をとっている高齢者の場合は、中年の人と同じかそれ以上の長さだったとの研究結果があります。
肥満、喫煙
テロメアが短くなることを抑える、「サーチュイン遺伝子」をオンにしてテロメアを長持ちさせるには、まず肥満と喫煙を避けることが大切だそう。英国ロンドン在住の18~76歳の女性1,122名のテロメアを調査した結果によると、肥満の人は、そうでない人に比べてテロメアが平均8年分も短かったそうです。また、タバコを1日1箱、10年間吸い続けた人は、テロメアが2年分短かかった。
運動不足
過去10年間、運動習慣のある人は、そうでない人と比べてテロメアが長かった。と言う結果がある。
テロメアを長く保つためには?
- 運動の習慣化:ウオーキング、ヨガなどの適度な有酸素運動。通勤に歩く距離を増やしたり、または家事や生活の中で積極的に体を動かすなど、普段の生活の中に取り入れる事が理想的。
- 健康的な食事:全粒穀物、野菜、果物、ナッツ類、豆類、オメガ三脂肪酸などを積極的に摂る。抗酸化効果のある食事。
- 質の良い睡眠:7時間睡眠が理想。
- 心理的ストレスの管理:趣味などリラックス方法を見つける。家族や友達と話す。ヨガ、呼吸法、瞑想など取り入れる。など
アンチエイジングシリーズを4つやってきましたが、結局のところ、老化を防ぐには、いわゆる、みんなご存知の健康的な生活をすると言う単純なことでした。ただ、世の中には甘い誘惑がたくさんあり、また忙しい時代に、この単純な事をやるのが逆にとっても難しいので、一気に全部改善しようとするのではなくするのではなく、できることの目標をたて、それを継続する事がアンチエイジングの近道かと思います。