アンチエイジング”その3″。若返り遺伝子のスイッチを入れよう!

アンチエイジング”その3″。若返り遺伝子のスイッチを入れよう!

誰もが持っている健康寿命を延ばす夢の遺伝子「サーチュイン遺伝子」

「長寿遺伝子」「若返り遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子は2000年に米国・マサチューセッツ工科大のレオナルド・ガランテ教授が酵母の中から発見しました。

「操作をすれば、老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子のこと」です。

サーチュイン遺伝子は、寿命だけでなく、老化の進行にも関与していることがわかっています。老化をもたらす要因としては「活性酸素による酸化ストレス」や「免疫細胞の暴走」などが考えられますが、サーチュイン遺伝子が活性化すれば、こうした老化の要因を抑え、進行を遅らせることができるようになります。

サーチュイン遺伝子によって活性化された細胞の働き

  • 細胞を傷つける活性酸素の除去
  • 細胞の修復
  • 脂肪燃焼
  • シミやシワの防止
  • 動脈硬化や糖尿病の予防
  • 認知症、難聴などの予防

といった様々な好影響がもたらされます。

サーチュイン遺伝子が活性化すると?

細胞内でエネルギー源を作り出す小器官「ミトコンドリア」が増えるとともに、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー(自食作用)」という機構が働きます。細胞を若返らせるのです。
人体の健康度を測るバロメーターは70~100項目あるようで、そのほとんどを改善するともいわれています。

ところが、サーチュインはいつも働いてくれるわけではありません。1日の中でも長寿遺伝子が活性化したり、眠ったりするサイクルがあると考えられているようです。通常は眠っていて、ある条件が満たされたときにだけ働きます。

サーチュイン遺伝子がスイッチオンになる条件

条件1「空腹」

空腹、つまりカロリー摂取の制限が長寿遺伝子を活性化させることは、さまざまな研究によって実証されてきました。

ある研究では、30代から60代の男性4人に1日に必要なエネルギー量からカロリーを25%制限した食生活を7週間続けてもらい、長寿遺伝子の活動状況を調べました。その結果、わずか3週間でも長寿遺伝子が作るサーチュイン酵素の量が1.4~4.6倍に増加し、7週間後では4.2~10倍も増加することが裏付けられたのです。

腹七分目か八分目に抑えておくことが大切

また、食間が長い睡眠中は最も長寿遺伝子が働きやすい時間帯です。

条件2「運動」

運動をすると長寿遺伝子が活性化することも明らかになっています。米国の研究では、食事制限でカロリーを12・5%カットし、運動で消費カロリーを12・5%増やすと、カロリーを25%制限したのと同じ効果があることが確かめられています。

ポリフェノールの一種、「レスベラトロール」

赤ワインに含まれるポリフェノールの一種、「レスベラトロール」が長寿遺伝子を活性化させ、老化を防ぐ働きのあることもわかっているようです。実験を行ったのは、ハーバード大学准教授のデービッド・シンクレア博士。博士は、カロリー制限をしていないマウスにレスベラトロールを投与したところ、サーチュイン遺伝子が活性化され、寿命が延びたといいます。レスベラトロールは赤ワインの原料に使われるブドウの皮や種子のほか、最近ではインドネシアの植物「メリンジョ」にも含まれていることがわかり、注目されているようです。

逆にサーチュイン遺伝子が働かなくなってしまうのはどんな時?

インスリンが働いている時。

(空腹の時にサーチュイン遺伝子が働くのでその逆ですね)

食事をすると血糖の上昇を抑えるためにインスリンが分泌されますが、インスリンが働くと長寿遺伝子や自食作用の機構がシャットダウンされることも分かってきたようです。

つまり、小腹がすいたときのおやつは、せっかくサーチュイン遺伝子のスイッチが入ろうとしているのを妨げてしまいます。特に甘いジュース、ケーキ、アメなどに含まれる単純糖質は、インスリンの急激な分泌を促しますので注意が必要。食間が長い睡眠中は最も長寿遺伝子が働きやすい時間帯なので、夜食は最悪のパターンと言えます。

「間食」、「夜食」は若返り遺伝子の敵

研究では少なくとも25%のカロリー制限で効果があることが裏付けられましたが、どの程度のカロリー制限がベストなのか、高齢者にも適応するのかなどは、これからの研究課題なようです。

参照資料:
古家大祐著『老けない人は腹七分め』
白澤 卓二 著書

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