お肌の酸化はシミ・シワ・たるみ・くすみなど肌の老化を促すのは言わずも知れたお話。
人間の体にはもともと、尿酸、アスコルビン酸、メラトニンといった抗酸化物質が存在し、抗酸化作用は私たちの体にすでに備わっています。しかし、抗酸化作用は20代をピークとして、加齢とともに低下していってしまうそうです。そのため、普段の生活習慣、食事を気をつける事が大切になってきます。
「酸化」を防ぐためにできること?
まず、体を酸化をさせてしまう物質、【活性酸素】と【フリーラジカル】について。
【活性酸素とは?】
とても反応性の高い酸素分子のことで、体内で脂質と結合して有害な過酸化脂質を作ることに関与しています。(活性酸素の中にも不対電子を持つものと持たないものがあります。 スーパーオキシドやヒドロキシラジカルはフリーラジカルですが、一重項酸素や過酸化水素はフリーラジカルではありません。)
【フリーラジカルとは?】
通常はペアを組んでいる電子が不対になり反応性が高く不安定な原子・分子団。体内では有害な作用をもたらします。
活性酸素、フリーラジカルが過剰に発生した場合、体を酸化させます。
生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れた状態のことを【酸化ストレス】と言います。
酸化ストレスを起こす原因(活性酸素、フリーラジカルが発生する原因)
- ストレス:抗ストレスホルモンが分泌・分解される過程で活性酸素が発生します。
- 喫煙:タバコに含まれる有害物質を処理するために活性酸素が発生します。主流煙や副流煙にも有害物質が含まれます。
- 暴飲暴食:体は食べた分だけ燃やしてエネルギーを作り出そうとするので、活性酸素の発生量も多くなります。
- 食品添加物:化学合成物が分解・解毒される過程で活性酸素が発生します。
- 紫外線:長時間紫外線を浴びて日焼けなどをしてしまうと、活性酸素が発生します。
- 激しい運動:大量のエネルギーを必要とし、大量の酸素を消費するため、活性酸素の発生量も多くなります。
- 排気ガスなどの大気汚染:排気ガスなどに含まれる有害物質が原因で活性酸素が発生します。
例えば、紫外線を浴びると皮膚に酸化ストレスが生じ、皮膚のコラーゲン分解酵素が活性化されます。すると、これがコラーゲンを分解し、シワやタルミとなるのです。
酸化ストレスを減らすためには?
【食生活を改善。抗酸化作用を持つ栄養素を摂取する】
抗酸化の基本は「食事」。抗酸化作用のある栄養素の摂取。加工食品を減らして、加工されていない野菜やフルーツなどのホールフードを増やす。抗酸化作用の栄養素は下にまとめています。
【紫外線から守る】
帽子をかぶったりサングラスをしたり、日焼け止めを塗ったり、紫外線対策をしっかりする大切。
【ストレスをためない】
たくさんの抗酸化作用のある食品をとっていても、ストレスを受けると活性酸素が発生します。ストレスを溜めないような工夫が必要。呼吸法、瞑想、運動、趣味、ヨガ、友達や家族と話をする。など。
【適度な運動】
ウォーキングなどの軽めの運動は抗酸化物質のはたらきを高めて、酸化を抑えてくれます。しかし、激しい運動は、呼吸量が増えるため活性酸素が生まれやすくなるため注意が必要。
【お酒はほどほどに】
飲酒すると、アルコールを分解するときに活性酸素が発生します。お酒は適度にしつつ、赤ワインなどの抗酸化作用の含むお酒にスウィッチすることも一つ。
【タバコを控える】
タバコを1本吸うと、1日あたりで発生する量の約10万倍もの活性酸素を体内に生み出してしまうそう。さらに、抗酸化物質であるビタミンを破壊する成分も含まれているので、吸わないのがベスト。
【大気汚染】
なかなか環境を変えることは難しいですが、休みの日などは、空気汚染が少ない自然のある場所にいくなどできる範囲で対応することも一つ。
抗酸化作用を持つ栄養素
【ビタミン】
ビタミンC
ビタミンCは食品からの摂取では吸収率は良いですが、一度に大量に摂取しても余った分は尿から排泄されてしまいます。また体内では作られないので、毎日摂取が必要です。抗酸化力が非常に強く、活性酸素から細胞や組織を守ります。
ビタミンCは水溶性なので、生で食べるのが良い。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用が強く、細胞を傷つけて老化させ、さまざまな病気を引き起こす原因の過酸化脂質の発生を抑えてくれます。
抗酸化力のあるビタミンA(βカロテンは体の中でビタミンAに変わります)、ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果があります。
【ミネラル】
抗酸化酵素の生成や活性に関わります。
- 亜鉛 →牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎなどに含まれます。
- 銅 →干しエビ、ココア、レバー、種実類などに含まれます。
- セレン(セレニウム) →いわし丸干し、しらす干しなどに含まれます。
- マンガン →しょうが、海藻、未精製の穀物、豆類などに含まれます。
ミネラルは、熱には強くても水に溶けやすい性質なので、茹でるよりも蒸すのが良いそう。煮込み料理の場合は煮汁ごと全て頂くのが理想的。
【ポリフェノール類】
プルーン・ブルーベリー・りんご・赤ワイン・コーヒー・緑茶・紅茶など
フルーツの場合、皮にもポリフェノールが豊富に含まれているため、皮ごと食べるのがオススメ。コーヒーやお茶は、ペットボトルで販売しているものより、淹れたてのほうがポリフェノールを多く含んでいます。
フラボノイド系ポリフェノール
アントシアニン(赤ワイン)
イソフラボン(大豆)
ケルセチン(玉ねぎ)
カテキン(緑茶)
テアフラビン(紅茶)
セサミン(ごま)
セサミノール(ごま)
非フラボノイド系ポリフェノール
クロロゲン酸(コーヒー)
フェルラ酸(米ぬか)
イオウ化合物(玉ねぎ、キャベツ)
【カロテノイド】
α-カロテン(人参の葉、黄ピーマンなど緑黄色野菜)
β-カロテン(人参、ほうれん草、小松菜など緑黄色野菜)(体内でビタミンAに変化)
β-クリプトキサンチン(温州みかん、パプリカ、柿など)
リコピン(トマト)
緑黄色野菜やフルーツの黄色、オレンジ、赤色の色素成分。パプリカ、トマト、ホウレンソウ、ミカンなど
濃い色の野菜やフルーツを選べばたくさんカロテノイドを取ることができます。
赤いパプリカにはカロテノイドのなかでも特に抗酸化力が強いキサントフィルという成分が豊富に含まれています。
リコピンはビタミンEの100倍以上も抗酸化力があるとか。
カロテノイドは油溶性のため、油を使った調理方法で食べると体内に吸収しやすくなります。